基本的な凸性は和とスケーリングをカバーしますが、 点別上限 点別上限による凸性の保持は、非自明な凸関数の構築と双対性の確立に不可欠な操作です。無限個の凸関数からなる族であっても、その「上包絡線(upper envelope)」は凸のままであるという定理です。この橋渡しにより、単純な線形成分を使って複雑な凸形状を分析できるようになります。
1. 技術的定義
関数族 $\{f(\cdot, y) \mid y \in \mathcal{A}\}$ に対して、点別上限は次のように定義されます:
$$g(x) = \sup_{y \in \mathcal{A}} f(x, y)$$
この関数の定義域は、族内のすべての関数が定義され、かつ上限が有限となる点の集合です:
$$\text{dom } g = \{x \mid (x, y) \in \text{dom } f \text{ for all } y \in \mathcal{A}, \sup_{y \in \mathcal{A}} f(x, y) < \infty\}$$
エピグラフの視点
幾何学的に、上限関数のエピグラフは個々のエピグラフの交わりです:
$$\text{epi } g = \bigcap_{y \in \mathcal{A}} \text{epi } f(\cdot, y)$$
各個々のエピグラフは凸集合である($f(x, y)$ が $x$ に関して凸だから)ため、任意個の凸集合の交わりもまた凸であり、$g(x)$ の凸性が保証されます。
2. 重要な例
- サポート関数: $S_C(y) = \sup \{ y^T x \mid x \in C \}$。この関数は、集合 $C$ が凸かどうかに関わらず常に凸です。なぜなら、これは $y$ に関する線形(アフィン)関数の上限だからです。
- 最も遠い点までの距離: $f(x) = \sup_{y \in C} \|x - y\|$。集合 $C$ が不規則な形状であっても、$f(x)$ は $x$ に関して凸です。なぜなら、ノルムは $x$ に関する凸関数だからです。
- 最大固有値: 対称行列 $X$ に対して、$f(X) = \lambda_{\max}(X)$ は凸です。これはレイリー商から導かれます:$\lambda_{\max}(X) = \sup\{y^T X y \mid \|y\|_2 = 1\}$。これは $X$ に関する線形関数の上限です。
定理:アフィン関数による表現
定理
ほとんどすべての凸関数は、アフィン関数の族(グローバルな下界関数)の点別上限として表現できます。
直感
任意の点 $x_0$ において、凸関数 $f$ は接超平面(アフィン関数 $h(x) = f(x_0) + g^T(x-x_0)$)を持ちます。このような接超平面すべての上限を取ることで、関数 $f$ を正確に再構成できます。
🎯 核心原則
点別上限は凸性を保ち、点別下限は凹性を保ちます。これがノルムやスペクトル関数、および双対問題の凸性の秘密です。
$$g(x) = \sup_{y \in \mathcal{A}} f(x, y) \implies g \text{ は } f(\cdot, y) \text{ がすべての } y \text{ に対して凸ならば凸}$$